相続登記に気をつけるポイント
実家を相続されたケース
ご両親さまより相続された倉敷市内に所有する一戸建て住宅の売却依頼をいただいたお客さまのケースについてお話ししたいと思います。
倉敷市内にあるご実家の一戸建て住宅の売却依頼をいただき物件を調査いたしましたが、なぜか敷地一部が相続時の登記から漏れて、相続まえのご両親さまの名義のままとなっていました。
このようなことは、相続した不動産によく起こるケースです。
相続登記の経緯をお客さまにもお伺いしましたが、
「司法書士に依頼して相続登記をした。」
とのことでした。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
なぜ登記漏れが起こるのか?
いろいろなケースが考えられますが、
まず1つとして、司法書士は相続された倉敷市内の不動産を相続登記する場合、被相続人の権利証を確認します。
権利証を紛失していれば、倉敷市役所が発行する固定資産税評価証明書で確認をします。
ただ、倉敷市役所が発行する固定資産税評価証明書には、一定額の評価額を下回る場合は記載されないことがあります。
固定資産税評価証明書の所在に基づいて司法書士は登記することから、相続登記の漏れが生じます。
また、被相続人の所有する不動産の名義が先代、先々代の登記名義のままである場合も相続登記から漏れることがあります。
特に所有される不動産が飛び地になっていたり、地籍が小さいことや、筆数が多い場合も注意が必要です。
普段の生活では登記名義を確認することはないですが、
「売却をする為に登記を確認してみたら、祖父や祖母、その先の先々代の名義になっていた。」
ってことは、長年に渡り不動産売買のお取引きに携わる私からするとよくあるケースです。
結果として・・・。
冒頭のケースについては相続から早い段階で判明しましたので、相続人の名義に登記することができました。
しかし、元の相続登記時に完了していれば必要なかった追加の相続登記費用が発生しました。
相続登記に纏わる別のケース
こちらも以前あったケースですが、面積が約10㎡で不整形地のため固定資産税評価額が0円であったことから固定資産税評価証明書に記載がなくまた、ご自宅から離れたところにある飛び地だったため、相続登記から漏れた状態で3代前の登記名義のままとなっていました。
相続登記をするためには、一部面識もないご親戚の約20人以上の方から相続放棄の同意を得る必要があり、そのお客様は最終的にその不動産売却を断念されました。
このようなことにならないために
そのようなことから将来の相続に備えてた予防策として、まず1つは所有する不動産や、将来相続をするであろう土地、建物などの登記の名義を法務局で確認されては如何でしょうか?。
それともう1つは日頃から相続人に対して、自分の名義の不動産の所在や状況などを整理して、書面に残すことやお互いお話ししておくことがこのような将来の不動産トラブルを未然に防ぐことになります。
相続登記の義務化
2017年の調査によると全国の2割、九州本島より広い面積が所有者不明土地となっており、公共や民間の不動産活用の観点から問題となっています。
現在、この所有者不明の土地問題を解決するために本国会に関連法案の改正案を提出しています。
改正されれば、いままで任意とされていた相続や住所変更の登記が将来義務化される予定です。
簡単に相続登記ができる制度も新設されるようですが、その不動産が被相続人の所有であることを知らなければ登記することもできません。
所有者の心得
倉敷市内の貴方の大切な資産である不動産は、将来お子さまやお孫さんに引続ぐためにしっかりした準備をしておくことが所有者さまの責務と感じて頂ければ幸いです。
倉敷の不動産取引歴32年の豊富な経験から物件周辺の市況のニーズや、建物の状況、不動産を取り巻く状況を鑑み、おひとりおひとりにオンリーワンの不動産売却をご提案します。
倉敷の土地や、一戸建住宅、マンションの売却は、倉敷の不動産売買専門ショップおおたか不動産へお気軽にご相談ください。